マグロの種類

マグロの水揚げ

このページではミナミマグロ・ホンマグロ・メバチマグロ・キハダマグロ・ビンチョウマグロの特徴や、味、身質などをまとめています。マグロの種類別にさらに詳しい情報もございますので、是非合わせてご覧ください。

ミナミマグロ

ミナミマグロ
別名 インドマグロ
英名:southern bluefin tuna
サイズ 体長2m前後、体重〜100kg前後
漁場 ケープタウン沖、シドニー沖、マントル沖など
ミナミマグロの刺身

ミナミマグロの特徴

ミナミマグロは地球の南緯にしか生息しないマグロで、別名「インドマグロ」などと呼ばれています。体長は2m前後、体重は100kg以上に達することがある大型のマグロです。漁場は主にオーストラリア南部や南アフリカ沖など、主に冷たい海に生息しています。近年では冷凍技術の発達により日本から遠方の漁場でも鮮度を保ち水揚げすることが可能です。

養殖技術の発達により、オーストラリアのポートリンカーンでミナミマグロの蓄養(養殖)が盛んに行われています。養殖魚の登場により最近では回転すし、量販店、スーパー等で脂ののったミナミマグロをよく見かけるようになりました。

ミナミマグロの味

何と言っても「甘み」が強く、他のまぐろの中で最も甘みがあります。「ホンマグロが一番美味しい」というイメージを持っている方が多いと思いますが、食べて美味しいのはミナミマグロです。本鮪は渋みがあるため玄人向けですが、ミナミマグロは甘みが強いので万人受けするマグロと言えます。

食感は程よい歯ごたえの赤身と、中トロ、大トロなどは柔らかい食感でマグロ通の舌をうならせるほどです。地元静岡県焼津市ではミナミマグロしか取り扱わない寿司屋が多くいるほど、プロも納得して使用するマグロと言えます。

ミナミマグロの身質

南緯40℃前後というとても荒れて冷たい海で育つため、身に締まりがあり脂ものります。はえ縄漁船の場合、生きて漁獲される個体が多く、解凍した際に身が縮む現象「ちぢみ」が発生しやすいのも特徴です。キハダマグロの「ちぢみ」は3〜4割に対して、ミナミマグロは7割〜8割「ちぢみ」があるため、生命力が強く高鮮度と言えます。

色は非常に鮮やかで「赤いダイヤ」などと表現されることがあり、非常に綺麗な赤です。

ホンマグロ

ホンマグロ
別名 クロマグロ
英名:bluefin tuna
サイズ 体長3m前後、体重最大で400kg前後
漁場 アイルランド沖、地中海沖、北大西洋など

ホンマグロの特徴

マグロの中で最も大きく体長3m、体重400kgに達することもある大型のマグロで、別名「クロマグロ」とも呼ばています。生息水域は主に北大西洋や地中海など北緯に生息しています。他の漁場では日本近海をはじめ、太平洋、インド洋、大西洋など政界の海に広く分布しているマグロです。

近年では築地魚市場(豊洲市場)の初セリで高値を記録するなど国内外のメディアで話題性が高く、大間産の本鮪の知名度は非常に高くなっています。 養殖ホンマグロは近畿大学の完全養殖が有名ですが、海外ではスペインやモロッコ、クロアチナなどの地中海でも養殖されています。毎年安定的な搬入量と品質も均一なことから、大手量販店やスーパー等では中トロ商材として年間扱っています。

ホンマグロの味

天然ホンマグロの味は「コク」「深み」が強いのが特徴です。他のマグロと比較して独特な風味・香りが強く、「渋み」「生臭さ」「鉄(血)の匂い」等を感じる方もいらっしゃいます。ホンマグロを食べた方から「臭い」とお申し出をいただくことがありますが、本鮪独特の風味が合わな方もいらっしゃいますので、玄人向けなマグロと言えるでしょう。養殖本鮪の味は天然物ほどコクや深みを感じにくいですが、脂はのっているため身は柔らかくトロッとした食感です。ただ、見た目の脂の強さの割にはそれほど脂の旨味を感じにくく、養殖物と天然物ではやはり味の違いはあります。

ホンマグロの身質

冷凍のホンマグロの場合、魚体が大きく完全に凍結されるまでにやや時間がかかります。そのため他のマグロと比較して「ちぢみ」という解凍後の死後硬直は発生しにくいのが特徴です。「ちぢみ」が少ない=鮮度が悪いということではなく、色は深みのある赤色です。他のマグロと比較すると比較的色持ちが良い方です。

養殖のホンマグロの身質は柔らかく、さらに脂ものっていることから「美味しい」とい感じる方がいらっしゃるかもしれません。色目は天然物ほど鮮やかではなく、ピンク色から薄い赤色をしています。

メバチマグロ

メバチマグロ
別名 バチマグロ、目鉢マグロ
英名:Bigeye tuna
サイズ 2m前後、体重最大で120kg前後
漁場 太平洋、大西洋、インド洋など
メバチマグロの刺身

メバチマグロの特徴

目が鉢のように大きいことから、「目鉢」「メバチ」などと呼ばれます。関東や関西では「バチ」「バチマグロ」とも呼ばれます。若魚では「ダルマ」」とも呼ばれます。体重は100〜120kgに達することもあり大型のマグロです。世界中の海に生息していて周年漁獲されることからスーパー、量販店等の定番赤身として人気があります。本鮪やミナミマグロのように脂ののりは強くはなく、腹の厚さは薄く大トロは取りにくいマグロです。

メバチマグロの味

味はあっさりとしていますが、キハダマグロよりもやや深い味わいを感じられます。太平洋や大西洋、インド洋等の「一般漁場」で漁獲されるメバチマグロは赤身主体のためさっぱりしていますが、「特殊漁場」と呼ばれるレアな漁場で漁獲されるメバチマグロは脂がのり色目も鮮やかな赤で非常に美味です。

メバチマグロの身質

比較的色持ちが良いため、回転寿司屋や持ち帰り寿司、スーパーなど幅広く利用されています。程よい歯ごたえがありビンチョウマグロのように柔らかくはありません。

キハダマグロ

キハダマグロ
別名 黄肌まぐろ、キメジ
英名:Yellowfin tuna
サイズ 1〜2m前後、体重40kg前後
漁場 太平洋、大西洋、インド洋など
キハダマグロの刺身

キハダマグロの特徴

背びれや尾びれが黄色いことや体がやや黄色いことから「キハダマグロ」と言われています。若魚では「キメジ」とも呼ばれます。年間を通して漁獲量が多いことから価格は安定していてスーパーや量販店などの特売用赤身として利用されることがあります。はえ縄漁船で漁獲したキハダマグロは主に刺身用、巻き網漁船で漁獲されるキハダマグロの一部は、缶詰用として利用されているなど、刺身から加熱用食材まで幅広く利用されています。

春先から夏場にかけて漁獲される生の近海キハダマグロは脂がのることがあり非常に美味で、春を感じられる食材のひとつです。

キハダマグロの味

他のマグロと比較してさっぱりしてクセがありません。味わいに深みはあまり感じられず、独特な風味もあまり感じません。漁獲量が年間を通して安定していることから、加工品の需要が高く缶詰やたたき身(ネギトロ用)、ツナなど日本人に馴染みが深いマグロです。

キハダマグロの身質

身質は比較的柔らかいです。はえ縄漁船の場合、生きて漁獲される個体が多く、解凍した際に身が縮む現象「ちぢみ」が発生しやすいですが、キハダマグロの「ちぢみ」は3〜4割に対して、ミナミマグロは7割〜8割「ちぢみ」があるため、比較的生命力が弱いマグロと言えます。

ビンチョウマグロ

ビンチョウマグロ
別名 トンボマグロ、ビンナガマグロ
英名:Albacore tuna
サイズ 1m前後、体重10〜20kg前後
漁場 太平洋、大西洋、インド洋など
ビンチョウマグロの刺身

ビンチョウマグロの特徴

まぐろの中では小型で10〜20kgのサイズが多いです。胸ビレが長く泳ぐ姿が空を飛ぶトンボに似ているから別名トンボマグロとも呼ばれています。脂ののったビンチョウは、「トロビンチョウ」「ビントロ」などと呼びます。

世界中の海に分布して周年漁獲されることから、比較的安価で刺身やツナ缶詰など幅広く利用されています。

ビンチョウマグロの味

クセがなくあっさりしています。特に脂ののったびんちょうまぐろは美味で寿司ネタとしても人気が高いマグロです。

ビンチョウマグロの身質

身質は非常に柔らかいため筋をそれほど感じません。この柔らかい身に脂がのるとさらに柔らかく感じられ、食感がとても良いです。