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マグロの流通経路【1】


はじめに
焼津船元まぐろ家福坊(福一漁業株式会社)は、創業300年の歴史がある漁業会社です。歴史は古く戦国時代の武田の水軍がはじめという説が残されています。弊社は日本でも数少ないマグロ延縄漁船や海外まき網船を自社で所有する漁業会社です。また、漁船だけではなくマグロを保管する超低温冷蔵庫や一般の方がご利用いただける直売店。お食事処など幅広く運営していて、余分な流通経路を省いて「福一漁業」という会社だけで完結できる独自の流通システムを確立しております。福一漁業の各拠点の一角として「焼津船元・まぐろ家福坊」の通販部門があります。漁場と食卓をオンラインで結ぶのがこのサイトです。
マグロはえ縄漁船の画像
海外まき網船の画像
遠洋マグロ延縄(はえなわ)漁船の画像
海外まき網船「第83福一丸」の画像
福坊独自の流通経路
マグロ船の水揚げ画像
福一漁業と消費者様をダイレクトにつなぐレイアウト
まぐろ延縄漁船の水揚げ風景


■マグロ漁(漁船、船員)

「借金返せないならまぐろ船に乗りな」とまで言われた過酷な仕事です。(現在の給料は原油高、漁価安等の影響でそれほどでもないが・・・)遠洋まぐろ漁船の場合、一回出港すると1年〜2年ほど日本に帰ってくることはありません。1〜2年の間の漁獲量は、ある歌でも歌われていますが、「♪おいらの船は300t」とありますが、やはり300t弱まで1隻で漁獲することもあります。現在では「運搬船」という運搬を専門とした船が、港と漁場をピストン運動しているため、独航船(マグロ延縄漁船のこと)が港に帰ってこなくても水揚げは可能になりました。一昔前よりリアルタイムで搬入が行われています。

漁師の仕事はまさに命がけ。下の画像でもわかるように船を覆いつくすような高波が押し寄せることがあります。甲板に船員がいる場合、一歩間違えば波にさらわれてしまうほど強烈です。高波が来た場合、ブリッチで見張っている船員が放送で注意を促して、危険を回避するようになっています。遠洋マグロ漁船の乗組員たちは相当な体力と精神力がなければもたないため、長期的に漁師を継続する人はごく稀と言われるほど過酷です。生半可な気持ちで乗船すると命を落としかねないので、それなりの心構えと自己管理が必要です。現在は外国人が主に乗船しています。外国人は家族の生活費のために、わざわざ危険を冒してまで働こうという気持ちが強いため、船内では活躍が期待できます。

遠洋マグロ延縄漁船が操業する漁場は、およそ「太平洋」「大西洋」「インド洋」の3つに分けられます。太平洋とインド洋は日本から近いですが、大西洋は南米とアフリカの間のため、日本から見たらほぼ地球の反対に位置しています。「大西洋産」のまぐろはスーパーでも見ることができます。遠路はるばる地球の反対側から来たまぐろ。漁師さんが命がけで漁獲したまぐろ。感謝して召し上がりたいものです。

高波に襲われるまぐろはえ縄漁船
まぐろ漁船の船員の画像
荒波が遠洋マグロ延縄(はえなわ)漁船を襲う
船員と巨大なサメ


■鮪(まぐろ、マグロ)の水揚げ風景

まぐろの水揚げ風景です。遠洋まぐろ延縄(はえ縄)漁船などの冷凍マグロを水揚げする港は、焼津港(静岡県焼津市)、清水港(静岡県静岡県清水区)、三崎港(神奈川県三浦市)などがあります。特に焼津港の水揚げ高は何度も水揚げ日本一になるほど有名です。

まぐろはえ縄漁船は冷凍技術の発達により、船に冷凍庫が設備されているため漁獲した後、まぐろを冷凍して長期保存できるようになっています。漁獲した後すぐに内臓等を除去して冷凍庫で急速冷凍。保管温度は零下50〜60度(一般家庭冷蔵庫は零下18℃前後)と低いため、釣りたての鮮度を維持したまま冷凍することが可能です。

まぐろの水揚げにかかる時間は数量によってさまざまですが、仮に300tのまぐろなどを水揚げする場合には、朝8時から夕方17時頃までかかる場合があります。(お昼休みは1時間あります)夏は炎天下の元、冬は強風の元、沿岸部は季節の気候を存分に味わえる場所であるため、作業は大変です。また、水揚げ中に椅子などはないため、水揚げ中は立ちっぱなしで作業を行います。肉体的、精神的にも重労働な作業の一つです。

まぐろを仕入れる方法では、「一船買い」「入札」「競り(せり、セリ)」「業者間取引」などがあります。ここでは一船買いについて説明します。

「一船買い」とは、はえ縄漁船の積荷を1社が全て購入するということです。1990年代から2000年にかけては一船買いが盛んで、一船買いを行える業者が数多く存在していました。ハイリスクなビジネスではあるものの、ハイリターンも期待できる仕入れ方法っだったので、焼津にも数多くの一船買い業者が存在していました。しかし、2000年以降は魚価の低迷、原油高騰、養殖魚の問題等により一船買い業者は激減。ハイリスク、ローリターンが現在抱える問題の一つです。漁師が1〜2年かけて折角漁獲したまぐろも安値では報われないため、漁場の近距離化や減船を進める企業が存在することも事実です。

マグロ延縄漁船の画像
長い戦いを終えて焼津港に入港する福一丸
まぐろ水揚げの画像1
まぐろ水揚げの画像2
まぐろ漁船から吊り上げられるマグロ
人間より大きいまぐろもある

マグロの流通経路【2】


■まぐろの水揚げ【選別】

まぐろの水揚げの中で行う作業として、「選別」という作業を行います。この作業は誰でも行えるわけではなく、基本的にその水揚げしているまぐろを購入している企業が行います。選別の内容はまぐろの色、脂などを確認するために行います。まぐろのサクの状態でも選別を行いますが、水揚げの段階ではまぐろ1本単位で大分類に選別します。まぐろの選別は基本的に営業の人間が行う作業で、また長年の経験が必要です。その水揚げをした時期の相場や仕入れ価格に見合った選別方法など、状況に応じた技能や能力がなければ行えない仕事の一つです。また、相場や状況を理解していても、まぐろ自体の選別方法がわからなければ意味がありません。相場の状況判断とまぐろの目利きの両方をマスターした人間が行う作業です。

画像を見ると包丁が写っていますが、これを「出刃」と呼んでいます。この出刃をカチコチに凍ったまぐろに刺すことで、脂の有無、色の良し悪しなど確認します。例えば脂がよく乗ったまぐろへ出刃を刺すと、出刃がやや深めに刺さります。赤身のまぐろの場合、出刃を刺しても刃の先しか刺さりません。この時、やや力を入れて出刃を刺すため、脂のない赤身のまぐろを刺した場合、衝撃が手に跳ね返り非常に痛い思いをします。この選別を一日中行うと、手のひらには血豆やタコが出来てしまい、最悪の場合血豆が破けて流血することもあります。また、手のひらだけではなく肩にまで衝撃が伝わるため、症状がひどいと肩が上がらなくなることや、長年出刃を使い続けると、右手と左手の厚みに差が出たりします。

まぐろを選別する出刃の画像
まぐろを選別する画像
魂が宿った出刃?!
マイナス50度以下で凍結されたまぐろへブスリッ!

営業の人間にとってこの出刃は七つ道具の内、最も重要な道具といえます。出刃でまぐろの価格を決めたりするので、砥石で研ぐなど日ごろの手入れはもちろん大切です。(侍でいう日本刀のようなものでしょうか。魂が宿るかも知れません(笑) )営業見習いの頃に先輩たちがまぐろを出刃で選別しているのを横目に見ながら修行して、初めて出刃を上司から受け取ったときの感動は今でも忘れません。出刃を受け取るということは「営業」としての第一歩であり、たかが出刃ですがまぐろ屋の営業にとっての象徴(シンボル)になるかも知れません。

余談ですが、そんな大切な出刃をどこかへ落としたり、水揚げの際に出刃を忘れると「こいつやる気がないな」などと上司から強い叱咤を受けます(笑)。この出刃の本来の使用用途は肉きり包丁のようです。焼津市にある包丁屋さんでも類似品を買うことができますが、築地場外の包丁屋の出刃の方が、我々にとってはブームです。1本5,000円前後と案外いいお値段です。(紛失すると自腹との噂もあります)刃渡りは8cm前後。手のひらの上から下まで位のサイズです。

まぐろを選別した画像
まぐろを選別した後の穴
マグロを検品するため小さな穴を開ける
【拡大図】この穴の中を覗き込み鮮度や脂を判断する

■保管(自社冷蔵庫)

水揚げされた刺身用まぐろを保管する場所が主に「超低温冷凍庫」と呼ばれる冷凍庫です。冷凍マグロの場合、水揚げしたまぐろをそのまま市場等へ出荷するのではなく、一旦超低温冷凍庫へ保管することが多いです。(例外もありますが)自社の冷凍庫はSF級(超低温冷凍庫、零下50度以下)は3,500t、F級(零下40℃以下)は9,200t、合計で12,700tの保管能力がございます。例えば1.5tの普通乗用車なら8,000台以上入ってしまうスペースです。(実際は保管しませんが・・・)まぐろが解けないように年間を通して室温の一定化を行っています。夏はエアコンかわりに最高、冬は寒くて最悪の環境です。

超低温冷凍庫内で作業をする場合、下の画像のリフトに乗って行います。零下50度以下の冷凍庫に人間が入るために、リフトには暖房設備が設置されています。しかし、冬場は暖房が設置されていても寒いため、防寒着、防寒長靴など万全の体制で作業を行います。

FOC
FOC 福一・大井川コールドストレージ(〒421-0203 静岡県焼津市藤守1655-1)
超低温冷蔵庫のリフトの画像 冷凍されたまぐろの画像
超低温冷蔵庫へ向かうリフト
まぐろをパレットという入れ物へ入れて保管する

マグロの流通経路【3】

■出荷【市場編】

冷凍庫で保存されたまぐろを全国の市場へ出荷します。他には業者間取引やまぐろを加工してから量販店、外食産業へ出荷するもの、ネギトロなど最終加工品にしてからスーパーなどへ販売、通信販売など、販路はざまざまですが、ここでは市場へ出荷するケースを紹介いたします。

市場へ出荷するためにはトラックで輸送します。通常のトラックではまぐろの鮮度を維持できないので、超低温トラックで輸送します。冷凍マグロは大体静岡県から東京、または静岡県から大阪へ輸送されることが多いので、夜中に東名高速道路を走ることが多いです。このトラックは特殊な冷凍機が設備されていて、まぐろをカチコチの状態のまま輸送が可能です。翌日の競り(セリ)に間に合うように明け方までに市場へ到着します。

築地に上場するまぐろの内、70〜80%が冷凍マグロです。そのほとんどが静岡県から出荷されています。よく「築地直送のまぐろ」と表記して販売されているまぐろがありますが、実は築地で水揚げされた訳ではなく、静岡県で水揚げされたマグロが築地に上場しているのです。冷凍まぐろの多くは商社または企業が「一船買い」を行ったものが多いため、相場のカギを握っているのは商社や企業です。市場の動向を読みながら、スーパーや小売業者に卸すか、量販店や外食産業に卸すか、また築地魚市場へ出荷する数量などを決めています。

築地の競り風景の画像
築地に上場したマグロの画像
築地魚市場の競りの風景
築地に上場したまぐろ

■加工(自社加工場を所有)

「一船買い」「入札」「競り(せり、セリ)」「業者間取引」などで仕入れたまぐろを、自社の加工場で加工する場合もあります。加工形態や加工手順についてはこちらをご覧下さい。

まぐろ加工の画像
まぐろを磨く加工の画像
バンドソーでまぐろを加工
まぐろの骨や皮を除去する「磨き」の加工

■通信販売で全国のお客様へ
まぐろ問屋、卸専門の「福一漁業株式会社 販売事業部営業部」の一角として、お客様へ直接販売させていただく鮪(マグロ、まぐろ)通販の専門サイト「焼津船元まぐろ家福坊」です。大トロから赤身、希少部位、大間まぐろやまぐろに関する豆知識、動画、解凍方法やレシピまで国内最大のまぐろ品揃え&情報量を目指しています!8,000円以上(税別)お買い上げで全国どこでも送料無料!